子どもをキッチンに入れよう! 子どもの好奇心を高める言葉のレシピ

藤野恵美

子どもをキッチンに入れよう! 子どもの好奇心を高める言葉のレシピ

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 『子どもをキッチンに入れよう!    子どもの好奇心を高める言葉のレシピ』  刊行記念 藤野恵美インタビュー

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『子どもをキッチンに入れよう! 子どもの好奇心を高める言葉のレシピ』
定価:本体1500円(税別) 

著者の藤野さんは、過去に育児書を1000冊以上読んだ経験があります。その経験をもとに実践した、息子さんのやる気を育む声掛けの仕方など、藤野さんの息子さんが未就学児時のエピソードを綴ったエッセイが『子どもをキッチンに入れよう! 子どもの好奇心を高める言葉のレシピ』として刊行されました。「家事と育児を同時に行うことを考えていた」という藤野さんに、お子さんとのコミュニケーション方法やエッセイの内容について伺いました。

※※※

―小説家の藤野さんに対して、小説ではなく、エッセイの依頼があったとのことですが、どのようにしてこの連載が始まったのでしょうか?

「PHPのびのび子育て」の担当さんから依頼を受けました。たぶん、『ハルさん』のあとがきを読んで、私が子育てをしているということを知り、興味を持ってくださったのだと思います。 以前、『初恋料理教室』という小説を書いたときには、執筆で疲れたあとに夕飯の支度をするのが面倒で「料理を作りたくなるような物語を書こう」と考えたのです。 このエッセイの連載のときも、毎日の生活に疲れ果てていた自分のために「夕飯の支度をがんばろうという気持ちになれるようなエッセイ」「子どもとの時間を楽しめるようなエッセイ」を書くことにしました。

―エッセイ連載の際にご苦労されたことはなんですか?

一日が二十四時間しかないなかで、家事と育児と仕事をこなすために、時間のやりくりに苦労していました。 書きたいことはたくさんあり、エッセイのネタ自体は困ることはなかったのですが、とにかく執筆の時間を作るのが大変でした。

―いちばん思い出に残っているエピソードはなんですか?

やっぱり、ラストの「幼稚園、最後のお弁当」というエピソードですね。 エッセイの文中にある息子のセリフはすべてひらがなで書いているのですが、この可愛いしゃべり方は、ほんと、当時だけの貴重なものでした......。 卒園式のエピソードを読み返すと、懐かしくてたまらなくて、涙がにじみます。

―現在、息子さんは小学生になられているそうですが、最近の思い出深い出来事を教えてください。

コロナによる休校期間中は、曜日の感覚をなくさないために、毎週金曜日はカレーの日と決めて、息子がカレーを作っていました。 最初は人参とじゃがいもと玉ねぎが入った「キャンプで食べるようなカレー」だったのですが、息子がインターネットでいろいろと調べて、休校期間の後半になると「インドのデリーで食べられているバターチキンカレー」とか本格的なものを作るようになったので、成長に驚きました。
幼いころから子どもをキッチンに入れていたおかげで、息子も分担してくれるので、私ばかりが家事に追われるということもなく、とても助かっています。

―コロナによって、子どもと向き合う時間が増えているご家庭が多いと思います。コロナ疲れをしている親御さんに対してアドバイスや藤野さんが現在の状況で心がけていることがありましたら、教えてください。

幼い子どもって、親が喜ぶと思って特別な場所に遊びに連れて行っても、案外、記憶に残っていなかったり、反応が薄かったりするんですよね。 エッセイにも書きましたが、息子を連れてニュージーランドに行ったのに、結局、彼がいちばんおいしいと思ったのは「いつも日本で食べているのとおなじフィリピン産のバナナ」で、楽しかったのは「公園で遊んだこと」だったのです。
だから、たぶん、幼い子にとって、コロナでお出かけできない生活は、そんなにつまらないものではなくて、大好きなママやパパとキッチンで過ごすだけでじゅうぶん楽しい思い出になるんじゃないかな、という気がします。

―1000冊の育児書をご覧になったとのことですが、今、未就学児を育てている親御さんにお薦めの本があれば教えてください。

ジュディス・リッチ・ハリスの『子育ての大誤解』です。 サブタイトルに「重要なのは親じゃない」とあるように、親が愛情をかければよい子が育つとか、育て方を間違えると子どもは道を踏み外すとかいった考え方は根拠のない「子育て神話」に過ぎないと否定して、さまざまな研究データを挙げているので、育児に対するプレッシャーが軽くなりました。

―今、未就学児を育てている親御さんにメッセージをお願いします。

この『子どもをキッチンに入れよう!』というエッセイには、今、あなたが過ごしている時間がどれほど「大切な宝物」なのか、ということが書かれています。 子育てに追われている最中にはなかなか実感できないかもしれませんが、何気ない日常における「ささやかな幸せ」を文章で読むことで、ぜひ、お子さんの可愛さを再確認してください。

本の詳しい情報はこちら→『子どもをキッチンに入れよう! 子どもの好奇心を高める言葉のレシピ

Profile

藤野恵美

1978年、大阪府堺市生まれ。2004年『ねこまた妖怪伝』で第2回ジュニア冒険小説大賞を受賞し、デビュー。「お嬢様探偵ありす」シリーズ(講談社青い鳥文庫)など人気シリーズを手掛ける。児童文学で活躍する一方、『初恋料理教室』(ポプラ社)、『ショコラティエ』(光文社)、『涙をなくした君に』(新潮社)など文芸書も執筆しており、ほのぼの子育てミステリ『ハルさん』(創元推理文庫)はドラマ化されるなど好評を博した。大阪芸術大学講師も務める。

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