半分日本人

モハメド・オマル・アブディン

半分日本人

写真:森 豊

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お久しぶりです、アブディンです。

 皆さん、お久しぶりです。初めましての方、初めまして。アブディンと申します。

 以前、こちらのウェブマガジンでわが盲想」という連載をさせていただき、本になりました。アフリカのスーダン出身の38歳であります。

 家族は、スーダン人の妻1名と未就学の子ども3名の5人家族です(ずっとひとり者だったぼくが妻と子を立て続けに持つことになった経緯は『わが盲想』に詳しく書かせていただきました)。とある大学で特任助教をしています。まだまだ、いつ孵化するかわからない研究者の卵です。最近、子育てにより良い環境を求めて、郊外に引っ越しました。おかげで、通勤時間は片道2時間45分となりました。

 目が見えれば車窓から景色を眺めたり、文庫本を片手に読書したり、あるいはスマホでゲームしまくったりなど、いくらでもこの長い通勤時間をつぶす方法があるでしょう。しかし視覚障碍者のぼくは、最初の頃ひたすらぼーっとやり過ごしていました。最近になってようやく、原稿のネタを頭の中で練りこんだりするようになりました。

 原稿を書けば、わずかですが原稿料をいただくことができます。ぼくは5人家族の唯一の働き手で、家計のしわ寄せが全部ぼくの小遣いにきているため、妻に内緒で小遣い稼ぎをしようと考えたのです。邪道な動機をどうかお許しください。

 この連載のタイトル『半分日本人』には、特になんのひねりもありません。ぼく自身が出身国スーダンで19年、日本で19年と、人生のちょうど半分を日本で過ごしてきたことから付けました。『半分スーダン人』だってかまわないのです。

 とはいえ、ぼくの書く原稿は、おそらくタイトルとは無関係にさまざまな寄り道をして迷子になることでしょう。どこかの首相が『状況は支配下にある(The situation is under control!)』と明言を残しましたが、そのような自信はまったくありません。

 時には楽しく、時にはむなしく、または悲しく、身のまわりのことを振り返りながら読者のみなさんと共有できれば幸いです。

 もう一つ、お伝えしておかなくてはならないことがあります。
 さきほども書いたようにぼくは視覚障碍者で、音声読み上げソフトを使って原稿を書いています。もしも、とんでもない誤字脱字を見つけたら、それもふくめてご愛嬌ということで、どうか温かく見守ってください。

 実は、一冊目の本を出した後、自分もこれでプロの作家の仲間入りを果たしたのだと大いなる勘違いをし、立派な文章を書かなくちゃと肩に力が入っていたのですが、結果は慢性的肩こりになっただけで、上等な文章をひねり出すことはできませんでした。

 最近やっと、ド素人として、仮に間違ったことを書いても外国人という言い訳ができるということを利用して、楽しく文章が書けるようになってきたところです。

 この先は神のみぞ知る感じだね。
 始まってしまえば「わが逃走」はできないんだろうな。

 さあ、出発だ。新年から、お付き合いのほどよろしくお願いいたします。

Profile

モハメド・オマル・アブディン

1978年、スーダンの首都ハルツームに生まれる。生まれたときから弱視で、12歳のときに視力を失う。19歳のとき来日、福井県立盲学校で点字や鍼灸を学ぶ。その後、母国スーダンの紛争問題と平和について学びたいという思いから、東京外国語大学に入学。同大学の特任助教を経て、現在は学習院大学法学部政治学科特別客員教授。熱烈な広島カープファン。昨年、長年の夢だった優勝が実現して脱力状態にある。著書に自らの半生と、見たことのない日本をどのように感じてきたかを描いた『わが盲想』(ポプラ社)がある。

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達人たちの仕事場にお邪魔したら、楽しい驚きがいっぱい。まさに大人の社会科見学!ふむふむ、へーと読んでいるうちに、むくむくとやる気が湧いてくるお仕事エッセイです。

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