バイリンガルニュースMamiのお悩みシェア

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学校の勉強って何のためにあるの?

●高校生です。
 たった今も試験期間で毎日勉強してます。

 私たちはなんで勉強するのでしょう?
 今の勉強は大学への推薦入試のため?
 推薦入試を簡単に通るための成績をとるため?
 推薦入試がダメだったら一般入試の前にまた勉強しなきゃいけない。
 大学入試ってなに?!

 社会で役立つ?
 社会に出たらきっとこの数式は使わない。
 買い物で二次関数なんて使うの?
 仕事で宋書倭国伝なんて出てくる?

 そんなことを学んで何になるのか、わからなくなります。
 そしてやる気を失います。
 勉強が嫌いな訳ではないのですが、時々こんなことがあります。
 そしてついつい勉強なんていいって放棄してまた受験前に頑張ろう、と思ってしまうのです。(S・T、16歳、女性)


思考停止せずにこういう疑問を持つことは、本当に素晴らしいと思う!

私は多くの社会問題は教育で改善できると信じているので、教育はなによりも大事だと思っていて、だからこそ現状には多いに不満があるし、理想を言えばキリがありません。

それは各学校や各教師レベルでおさまる話ではなく、教育制度自体(暗記で点が取れるテスト内容やその点数を主軸とした評価方法、科目ごとのイントロの導入、教師の採用基準と雇用条件、大学の入試方法と卒業条件など)に、抜本的な見直しの必要があると思っています。

そして今あげてもらったような疑問は、上記を見直すことでかなり払拭されるはず。

とはいえ、日々の生活の中で実際にテストで点をとらなきゃいけない現役高校生にとっては、そんなこと言われてもって感じですよね(笑)。というわけで理想は置いておいて、現実を見てみましょう。

「なんで勉強してるんだろう」という疑問。高校生が学校の勉強へのモチベーションを持つために、個人的には答えとして「知的好奇心を満たすこと」と「将来のため」の二つを提案したいと思います。

【知的好奇心】

例えば数学。確かに買い物で二次関数は使いません。普通に計算ができれば日常生活に支障はない。ではなんで数学を勉強するのか。私もつい最近「フェルマーの最終定理」を読むまでずっと誤解してましたが、数学はただのツールなんかではなくて、もっと壮大なものです。なぜなら生物学が生物の謎を解き明かす学問であるように、数学は「数の学問」、数という謎に挑む学問だから。

数に関して無数に存在するルール(公式や三角関数みたいな法則など)は、人間が勝手に作り出したものではなく、もともと非言語的に自然界に存在したもので、それを人間がちょっとずつちょっとずつ発見してきたのです。そして、ルールは発見できても、「なぜ」自然にそういうルールが存在しているのか、「なぜ」そういう法則が成り立っているのか、は誰も知らないのです。めっちゃミステリアス!おもしろくない?!

現在の教育制度のせいもあって「これはテストに出るのか」「これは受験に関係あるのか」「これは就職活動に役立つのか」「将来仕事で使うのか」と、効率ばかり重視されるけど、それぞれの学問は人類の知的好奇心の賜物であり、受験とか仕事とかそんなちっぽけなスケールでないのは明らか。

【将来のため】

私は学習というのは学生生活が終わった瞬間に終わるものではなくて、一生続くものだと思っています。どんな学問でも、より高度な内容を理解するためにはそもそも基盤となる知識が必要で、それが中高の教育内容だと私は理解しています。

ポッドキャストのために論文を読んでいるとき、昔あんなに嫌いだった物理や化学を、基礎からやり直したい! と強く思うことが多々あるけど、高校生だった自分に言ったら絶対に信じられないと思う。化学なんて100点中6点取ったことあるし(笑)。

高校生の今どうしても興味が持てない、好きになれない科目があっても、それは自然なことなので別にいいと思う。もうそこは現実的になって、推薦入試のためでもなんでも、結果的に自分の選択肢をより多く確保するため、自分の可能性を広げるためにいま頑張るしかない。

ただ、自分が今後一生その分野に興味を持たないかどうか、それを必要としないかどうかは誰にもわからないので、若くて学習能力が衰えていないうちに一度触れておくことには大きな意味があると感じます。

私は28年間生きてきて、いまだになにが役に立って、なにが不要だったかなんてサッパリわからない。それはこれからも、死ぬまでわからないと思う。

学ぶことに専念していられる、そしてそれが許されるのなんて、一生のうち本当に短くて、それは今考えるとなんとも贅沢な時間だった。だから学生のみんなには、受験や就職活動の偏った価値観を、そのまま自分自身の価値観にしてしまうことなく、今学べることを出来るだけ楽しんでほしいと切に願っています。


<編集部より>
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Profile

Mami

1986年東京都生まれ。帰国子女ではなく、東京育ちのバイリンガル。2013年5月から、友人のMichaelと2人で英会話Podcast「バイリンガルニュース」を始める。世界中から2人がピックアップしたニュースを、ユニークなバイリンガル会話方式で無料配信しPodcast1位の大人気番組に! いつも阿佐ヶ谷のMichael宅で収録しており、独特のゆるーい雰囲気が魅力(放送中に荷物が届いたり、くしゃみしたり)。
幻冬舎plusでコラム「バイリンガルニュースMamiの文字おしゃべり」を連載中。

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