玲子さんのおしゃれクロゼット

西村玲子

玲子さんのおしゃれクロゼット

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色選びの楽しみ

期待せずに出かけたアウトレットは
思っていたより、ずっとおしゃれ。
そこで娘に教わった色選びのコツ、
街歩きでさっそく試してみたら。

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 娘と御殿場のアウトレットに行った。アウトレットというものに期待をしていないけれど、新宿からバスが出ているというので、じゃあ、と出かけることになった。朝が早い。さぞかし寒いだろうと、防寒を一に考えると、おしゃれ心は遠のいていく。

 ところが、早朝のバス停には結構おしゃれな人々が集まっている。現地に着く前にバスの中で地図や割引券を受け取る。お店のチェック用にボールペンまで付いている。見ると殆ほとんどの有名ブランドが揃っている。デロンギやボダムなどの洒落た生活品もあるし、トリンプやワコールの下着もある。

 まずフォションで焼きたてパンを食べてから、という。娘は常連らしい。歩き出すと、娘の厳しいファッションチェックが始まった。

 どうしてそのコートに、その色のマフラーなの、そのパンツの丈にその靴は合わないでしょう、今は同系色でまとめるというのが主流なのよ、そのコートならグレーか白だと思うわ、そのパンツの丈はもう少し短めにすること、「歩く時はこの厚手ソックスで平気なこの靴しかないのよ」と一言二言は言い返してみる。が、娘の言っていることが正しい。

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 今回はそんな同系色、色をまとめる、注意深く色を選ぶということをテーマにしてみた。心掛けてみると、やはり落ち着く。ココア色のセーターにその色を少し明るくした茶色の細身のパンツ、靴も敢えて茶色。白いキャンバス地のトート、Vネックから覗くシャツも白。白と黒はどんな色の仲間にも迎え入れられて、同系色をぴりりと引き立てることが出来る色だと思う。

 春を待つ前の儀式、春一番の風の強い一日、若い友人たちと西荻・吉祥寺散策をした。こういうときは何を着たら良いのやら、気温15度くらいということだが、信用していいのかどうか。軽いグレーのコートと白いジーンズ、白いカシミアセーターであったか用意。

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 絵にしたTさんは、デニムのたっぷりとしたワンピースが完全に春。下にニットの暖かそうなレギンスパンツ。ワンピースの上に短めのダウンジャケット、靴は偶然か計算か、ブルーと黒のコンビスニーカー(私も彼女に勧められて買って重宝している)。

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 同系色の洒落た装いだと感心する。私はコートの前を閉じないで歩く。風を受けると、裏の白い布がパンツとセーターの白に響き合って、我ながらなんとも素敵。一人でにっこり。少し寒くなったらグレーのニットストールを。

 娘のアドバイスが役に立った。こうだったのよ、と言うべきか、言わないでおくべきか。同系色も下手に扱うと重くなったり野暮ったくなったりしそうだが、上手くいくと楽で上級おしゃれが出来上がると思う。

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 娘はプラダのコート、私は春だというのに半額のアグを買った。ぴったりなサイズはなく、少し大きいが、歩きつかれて外反母趾が痛くなっていたので、その靴に履き替えてほっと一息。ま、大きなサイズでもいいか。他に買ったのは下着類。ボダムは改装中でやっていなくて残念。アウトレット、癖になりそうである。

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ご愛読ありがとうございました。
単行本は今夏、ポプラ社より
刊行になります。

Profile

西村玲子

イラストレーター・エッセイスト。ファッション、インテリア、映画、旅など、多彩なテーマを文章とイラストで綴り、洗練されたライフスタイルを提案し続けている。著書は最新刊の『おしゃれは楽しく いつも好きな服で』など200冊以上。

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