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第6回

第6回 3日目 ときめきの一日


4月13日(日)。
さて、フランス滞在も中盤に突入しまして、メインのグラン・パレ2日目でございます。


前日の熱中症もどきを反省し、私にしては比較的薄着で出動。

紺のワンピースと薄手の白ニットは現地出版社さんとの会食のために用意していた服ですが、こちらで着用することに。読者さんの前に出るときはどこかしらにオレンジや赤を入れると決めていて(自分を鼓舞するためにも)、このときは小振りの赤いストールを巻いていきました。

思いがけず「赤・白・紺(ブルー)」のトリコロールになって、よかったかも。

ミヤコさんと。

本日もよろしくお願いします。


2日目のこの日は、単行本レーベルの「NAMI」ではなく、ペーパーバックを刊行している「J’AI LU」のブースで行われました。

なので、サイン会もペーパーバックが中心です。


またたくさんのたくさんの読者さんとお話しできて、とっても嬉しかった。

後半ではペーパーバック版が売り切れてしまい、スタッフさんのご案内で、NAMIのブースで販売されている単行本を入手していただきサインするという一場面も。


合間の休憩に、読者さんたちに隠れて急いでお菓子を食べる私。

スタッフさんがご用意くださっていたチョコレート・ブラウニーがめっっっちゃくちゃ美味しかったです。

しっとり濃厚、パーフェクトな塩梅のナッツ……ときめきのおやつタイム。


私のサイン会については予定時刻を完走し、イベント終了までには少し時間があったので私も会場を見て回ることに。

「日本人の作家さんはいらっしゃいますか?」と質問すると、漫画家の古屋兎丸さんが参加されているというのでブースまで連れて行っていただきました。


初対面でご挨拶! ここでまたときめく!

古屋さんは人間の闇深さを実に繊細に描かれる方ですが、ご本人はとても温和で穏やかで、握手していただいた手がふかふかでした。

(古屋さんにお会いしたことをSNSにアップしたら、帰国後に数人の担当編集者さんから「う、うらやましい…!!!」と言われました。へへ、役得役得。)


古屋さんのブースにいらしたスタッフさん(現地の出版社さん?)が、私が青山美智子だと知ると「昨日! 昨日読みましたよ、サワのクチ!」と驚いた様子でおっしゃっていて一瞬戸惑ったものの、すぐに、あーっ、『リカバリー・カバヒコ』の第2話「紗羽の口」のことだ!と気づいて私のほうが興奮してしまいました。なんと、2日前に発売されたカバヒコをもう読んでくださっていたなんて。そしてお会いできるなんて。ご本人もびっくりされていましたが私こそ感動でした。


そして次の瞬間、スペシャルな場に居合わせることができました。

このとき、一緒に回っていたミヤコさんがお知り合いと遭遇されたようなのです。フランス語で声をかけあい、そして、そして……! 


あの! あの「ビズ」を!!!

準備編参照)


うわー、やっと本場のビズを見ちゃった!!

しかもミヤコさんで!!


おふたりとも本当に上手に「チュッ」てされるんだなぁと見惚れてしまいました。

実際には触れずに、スマートに。あれはちょっと練習したくらいではうまくこなせない。

フランス人はいったい何歳くらいからこれを日常的な習慣にしているのでしょうか。


そんな数々のときめきを抱きつつ、会場を後に。

ありがとう、グラン・パレ。最高のひとときでした!


ここから、夕食までの時間を使ってちょっぴり観光。

フランスに行く前、『リカバリー・カバヒコ』の担当編集者Mさん(光文社)がちょうどご家族でフランス旅行をされたとのことで、おすすめスポットをリストにして教えてくださっていたのです。

そのうちのひとつが「サントシャペル」でした。

近場で短時間で堪能できそうだったので、私からあらかじめ服部氏と李さんにリクエストし、このタイミングで叶えていただきました。


なんといってもステンドグラスの美しさが見事な教会……!

出発前にホームページで見てはいたのですが、入ったとたんに惹き付けられる荘厳な世界。

やっぱり、やっぱりときめく。今日はそんな日。


でも、何枚か写真を撮ってすぐにスマホをポーチにしまいました。

なんていうかねぇ……スマホで撮るくらいでは、この「凄み」みたいなものが伝えられないのですよ……「ぜんぜん、こんなもんじゃない」という感じで、SNSにはアップしませんでした。


が、時が経ち、今画像を開いたら、これでもじゅうぶん美しい……!!

ということで、公開します。今の私は「キレイ!」と感じるのですが、このときここにいた私は「100分の1も伝えられない」と思っていたので、100倍増しの美しさを想定してご覧ください。








李さんが事前予約をしてくださっていて、滞在時間としては1時間くらいだったでしょうか。

奥にはピアノが設置され、クラシック音楽のコンサートも開催されるそうです。


外壁には聖書をモチーフにした彫刻が。

どの場面かを服部氏とふたりであれこれ話すのが楽しかったです。


ディナーは服部氏、李さん、三枝さん、私の4人でビストロへ。

またまた写真を撮っていないのですが、この日はステーキをいただきました。


フランス滞在もあと2日です。

どうかどうか、ラストまで元気に駆け抜けられますように。自分にも周囲にも祈りを込めつつ、夜は更けていくのでした。続く!


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