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Ⅵ デンファレ
「ミドリちゃん」 午前八時前に出社してすぐだ。水揚げをするために、店内の花桶をバックヤードに運びこむと、店長の李多りたに呼ばれた。 今日は金曜日、彼女は日の出とほぼ同時に、世田谷の花卉かき市場へいき、切り花を仕入れて…
「ミドリちゃん」 午前八時前に出社してすぐだ。水揚げをするために、店内の花桶をバックヤードに運びこむと、店長の李多りたに呼ばれた。 今日は金曜日、彼女は日の出とほぼ同時に、世田谷の花卉かき市場へいき、切り花を仕入れて…
対照的な性格の二人の男子高生が、ある姉妹とともに、本に挟まれた暗号を解いていく謎解き青春ミステリー『夏休みの空欄探し』。 夏休みに入ったことを記念して、サイン本があたるフォロー&リポストキャンペーンを行います! あらすじ…
大好評発売中の彩瀬まるさん『なんどでも生まれる』のオンライン読書会が決定しました! 主催してくださるのは、オンライン書店コトゴトブックスさん(https://cotogotobooks.stores.jp/)。「読書時間…
愛しき昭和。 ひょっとしたら二百年後、三百年後の教科書には、「ウェアラブル端末がまだ存在せず、個人間ネットワークが脆弱ぜいじゃくだったゆえ、国家の存在が最大限まで膨張し、世界史上最大規模の戦争が起きた時代」 という、何…
シリーズ累計50万部を突破した「コンビニたそがれ堂」シリーズ。 待望の新刊『コンビニたそがれ堂 夜想曲』がいよいよ発売です。 新刊発売を記念して、サイン本があたるフォロー&リポストキャンペーンを行います。 <あらすじ> …
春の式日 ハナミズキの蕾が今年も紅く色づき始めている。四月十二日。縁側の窓を開け放った座敷で、六本目の瓶ビールの蓋がぽんと開いた。 座卓を囲った男性陣は、一様に茹でダコのような顔をして、泡の付いたグラスにビールを注…
第1章 私の恋は、いま走り始めた。 暇を持て余していた指先が、画面上に躍った見出しの文字に導かれ、滑る。 目を皿のようにして、ミュートのまま映像を再生する。 そのニュースは、つい先日起きた非日常的な出来事の記憶を呼び…
お客さまは、仰向けになってしばらく目をつぶった後、右へ左へと寝返りを繰り返す。 起き上がり、枕全体を触っていく。「形はいい気がするんですけど、もっと硬い素材のものって、ありますか?」「はい、ございますよ。少々お待ちくだ…
シリーズ累計50万部を突破した『余命一年と宣告された僕が、余命半年の君と出会った話』。 6/27からいよいよNETFLIXでの映画配信がスタートです! 感動の映画配信を記念して、原作小説と映画のサウンドトラックがあたるフ…
第一章 蛍の行方 夏の夜の途中を、何もかもを失って歩いていた。 左手に広がる田んぼから、五月蠅いほどに蛙の声がしている。両肩に食いこんだリュックには、カメラと交換レンズが数種類。あと数日分の着替え。側面のポケットには…
1 キィン、とひときわ小気味よい音がして、ボールが高く打ち上がった。こういう時は「白球」という言い方をするんだっけ、と思う。実際に自分で投げたり捕ったりしていれば実感は「ボール」なのだろうが、こうして打ち上げられた…
凪良ゆうさんの『わたしの美しい庭』。 発売して数年経ちますが、いまだに多くの人に楽しんでいただき、定期的に行っている季節カバーも大好評いただいております。 昨年、TUTAYAさん限定で夏カバーを刊行しましたが、こちらがと…
開園前の遊園地が、こんなにキラキラして見えるなんて初めて知った。 まだ客のいないそこは、想像していたよりずっと広大に感じる。朝日を浴びたアトラクションが、むずむずと喜びをこらえながら始まりの時を待っているみたい…
なつかしいわねぇ、遊園地なんて何年ぶりかしら。 私たちみたいな70半ばの老夫婦がふたりで来たって浮いちゃうかしらと思ったけど、どうやらそんなこともないみたいで安心したわ。 私たちの目の前を、5歳ぐらいの男の子がぱたぱたと…
「見た?」 前を向いたまま訊ねた私の隣で、葵はこっくりとうなずいた。 「……見た!」 すっきりと晴れた日曜日、友達の葵(あおい)に誘われてやってきた遊園地。 私たちは優雅に回っているメリーゴーランドの柵の前で列に並…
引退試合が終わった。 私は同じバスケ部の仲間4人でぐるぐるめに来ていた。 「山中青田遊園地」っていうのが正式名称だけど、なぜなのか、そっちよりも「ぐるぐるめ」の名前のほうがみんなに知られてそう呼ばれている。 …
まったく、ばかみたいに晴れていやがる。 こんな天気のいい日曜日に、なんでオレはひとりで遊園地なんか来なくちゃいけないんだ。 あたりを見渡せば、何やら初々しい若いカップル、仲の良さそうな友達連れ、寄り添い合って…
2021年本屋大賞2位となった、青山美智子さんの『お探し物は図書室まで』の文庫が、3月2日に発売されます。 初回配本限定で、著者の青山さんのメッセージが印刷された特別カード(名刺サイズ)が封入されます! 絵柄は上記の3種…
ドーン、ドーン、ドーンと、3回、太鼓を叩く音がした。 ヒーローショーを見たいというのは、息子の大(だい)吾(ご)のリクエストだった。 家族4人でイベントステージに来てみたのだが、客席はまばらであまり人がいない。 派手なシ…
氷で手を冷やしてから肉を殴る男は初めてだった。 手が傷むからと、肉叩きを使うよう云ったんだけれど〈だいっじょぶ!〉とまるで気にする様子がない。本人はこうすると肉に手の温度が伝わらず〈良いパティ〉が準備できると信じている…
序 其れは、図られし縁 大陸に、最大の面積を占める大国、陵りょう。 この地ではかつて、無数の悪鬼が跋扈ばっこし、人々は悉ことごとく疫病や災いに苦しめられていた。草木は生えず、水は涸れ果て、空にはいつも暗雲が垂れ込め…
「ザディコ。箱船へようこそ」「わたしはオオバカナコ。はこぶね?」「それについてはボンベロから聴くと良い」 男が手を離し、パピとダフに近寄るとマルキリが手を出してきた。「アンセム」「え? あなたマルキリでしょ」「偽名に決ま…
青山美智子 サロンエプロン
朱野帰子 痛い人生設計を作る、ルノアールで
山内マリコ 12歳の君へ
伊吹有喜 もう一度行きたい場所
大島真寿美 本の森には……
綾崎隼 冷たい恋と雪の密室 / 瀧羽麻子 我らが音楽に祝福あれ/阿津川辰海 失恋名探偵