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『注文に時間がかかるカフェ たとえば「あ行」が苦手な君に』刊行記念対談 「言葉」に悩むすべての人に届けたい。「待つ」ことで生まれる希望の物語。
この本は、「いらっしゃいませ」やメニュー、代金が言えず、接客のアルバイトをあきらめていた若者たちが始めた風変わりなカフェを取材したルポルタージュだ。若者たちの共通点は話し言葉がなめらかに出ない「吃音(きつおん)」があると…
この本は、「いらっしゃいませ」やメニュー、代金が言えず、接客のアルバイトをあきらめていた若者たちが始めた風変わりなカフェを取材したルポルタージュだ。若者たちの共通点は話し言葉がなめらかに出ない「吃音(きつおん)」があると…
序章 言葉を巡る旅への離陸 他者と向き合うとき、本当は私の話など興味ないんじゃないかと、疑いたくなる悪い癖がある。 相手の相あい槌づちが多いほどそうだ。自分を見ているようで、せつなくもなる。 私は、取材現場で無駄に相…
住民の3人にひとりがコロナに感染し、6分間にひとりがコロナで死亡している――。 私が住む街LAが、2021年のいま直面している現実がコレだ。 まるでSFの世界のようだが、これは自治体が正式に発表したリアルな数字なのだ…
今、うちのアパートの敷地内では「青空理髪店」が開店中だ。 アパートの隣人のトムが、自分のユニットのすぐ横の細い路地で、客の髪の毛をカットしているのだ。 このトムは、元モデルで、50代半ばの男性なのだが、本業は美容師…
「ミホ!ニュースがあるんだ。私、さっき退職届け出してきた。危険すぎて、もうこれ以上、学校で働き続けられない。時間あったら電話して。じゃね!」 8月末のある朝起きると、留守電にそんなメッセージが残されていた。 北ミシガ…
8月8日の土曜日。 カリフォルニア州チノという街にある航空博物館「プレインズ・オブ・フェイム」を目指して、車で東に向かってひたすら走っていた。 自宅待機命令中、こんなに遠くに来るのは初めてだったが、この日、この場所…
「ロックダウンあるある」で、今、アメリカで流行っているのが「疎遠になっていた旧友とZOOM経由で再び親交を温めること」らしい。 アメリカの人口3億3000万人の多くが自宅待機命令下の生活に突入して30日が過ぎた4月末、…
「Still Working?」 最近では「How are you?」のかわりにこの言葉が、LAのご近所同士の定番の挨拶になってきた。 「まだ仕事してる?」は、つまり「失業してない?大丈夫?」という意味だ。 コロナ失…
「プリリリリーーズ、ステイ・アット・ホーム!!」。 ロサンゼルス市長が、テレビ会見で毎日、英語とスペイン語で呼びかける日々が3月末から始まった。 自宅待機するためには「ホーム」があることが前提だが、そもそも住む家がな…
真っ青なカリフォルニアの空に突き刺さるように生えているひょろっとした数本のヤシの木。 それをぼーっと見上げながら、路上に立ち続けて2時間半がすでに経過していた。水筒に入れてきた水はもう半分しか残っていない。灼熱の太陽…