プロローグ 一九八〇年 八月七日 立秋
泣いていたらいつも抱き上げられ、背中を撫でてもらえた。
とてもあたたかい、大きな手だ。手を広げてその人の首に抱きつくといい匂いがした。
あれはおとうさんかな、と思うけど、神様かもしれないと間宮耀子は思う。でもどちらでもいい。二人とも同じ空の上の人だ。そして目を閉じれば、いつだって背中を撫でてくれた手を思い出す。
だからつらくなると目を閉じる。
学校でグズとからかわれたら、そうする。いやなことをされたり言われたりしたら、目を閉じてうつむくことにしている。仕事から帰ってきたおかあさんが泣いても、そうしていればやがて終わる。いつだってあの手を思い出せば、あたたかいものが身体に広がっていく。
自分で洗った服がしわくちゃでも、目を閉じてしまえばわからない。先生に当てられて答えられなくても、目を閉じてしまえばいい。最近、学校の授業がまるでわからない。
頭のなかで時折カラカラと音がして、それが気になると相手の言葉が頭に入ってこない。そして何をしても他の子より遅れてしまう。
頭のねじが取れてるんだ、と母は言う。その言葉を思い出して、車の後部座席で耀子は膝を抱える。
だから……置いていかれたのかな。
先月の初めから母が家に帰ってこなくなった。これまでにも何度かあったので、一人で母を待った。
枕元にお金が置いてあったから、それで食べ物を買った。お風呂や洗濯のやり方はこの間、小学四年生になった日に教わったから、なんとかやれる。だけど一週間が過ぎたあたりで風呂をわかしているときに眠ってしまい、気がついたら部屋中に煙が立ちこめていた。立ち上がろうとしたが動けず、声も出ない。その瞬間、誰かが入ってきて、目の前が真っ暗になった。それから先の記憶がない。
目覚めたら病院にいて、大人にいろいろ聞かれた。担任の男の先生が会いに来てくれ、おかあさんは来られないよ、と気の毒そうに言った。
どこかに行ってしまったらしい。
いつものこと、と黙って目を閉じた。目さえ閉じれば、あの大きな手を思い出せる。ところがどれだけ固く目を閉じても、いつものあのあたたかな感覚がよみがえらない。
担任の先生はすぐに帰っていった。
それからしばらく『しせつ』というところにいた。そのあと、おじさんの家に連れていかれた。おかあさんのお兄さんと聞いているけれど、よく知らない人だ。そして今朝、その人ともう一人の男に連れられ、新横浜という駅から新幹線に乗り、降りたあと車でずいぶん走った。
膝を抱える手がしびれてきて、耀子は車の窓から外を見る。
あたりは山だらけで、はるか下に川が流れている。
どこかに捨てられるみたいだ。
怖くて目を閉じたら、車が停とまった。降りろと言われて外に出る。その瞬間、息を吞んだ。
大きな門が目の前にそびえていた。
なんだ、これ、とおじさんが門を見上げた。
「寺か? 神社か? 住所はあってんのか。人んちの門じゃねえだろ、これは」
もう一人の男があわてて紙を見た。
「あってますよ、番地通りならここです」
城みたいだ、と言いながら、二人はなかに入っていった。そのあとに続いて、おそるおそる耀子も門をくぐる。そして今度は大きく息を吸った。
目の前に色とりどりの短冊を吊るした笹が飾られていた。石畳の道が奥まで続き、その両脇に大きな笹飾りがずらりと並んでいる。
トンネルみたい……。
石畳の道を歩きながら、耀子は色とりどりの短冊を見上げる。
七夕?
先月の七夕にこんな笹飾りを学校で作った。だけどもう八月だ。
そこで待っているようにと言って、二人はどこかに消えた。
黙って耀子は笹を見上げ続ける。
やさしく、風が吹いた。
ほおにかすかに色紙の飾りが触れ、そっと耀子は手を伸ばす。金紙の鎖が手にからみつき、こぼれ落ちた。そのきらめきに見とれて、おそるおそる首飾りのように巻いてみる。
クヒッ、と奇妙な音がした。
笑ったような声に驚いて、その方向を見る。
笹飾りのトンネルの向こうに小さな子どもが立っていた。
背丈は耀子の肩ぐらい、幼稚園児ぐらいに見える。つやのある黒髪に紫の着物、その上に水色のエプロンのようなものをかけていた。
なんとなく怖くて後ずさると、子どもが近寄ってきて、耀子が首にかけた金色の鎖を手にした。そしてそれを引いて走り出した。
怖いのに足が勝手に動く。紙の鎖に引かれて、耀子は笹のトンネルを駆けていく。
前を行く子どもの着物の背に白い星の印が付いていた。そこから美しい金色の紐が二本下がって揺れている。まるで流れ星を追いかけているみたいだ。
トンネルを抜けたら視界が開けた。
緑の木立のなかに小さな建物がある。お堂のようだ。
急に着物姿のこの子が人ではないように思えて、耀子は立ち止まる。金の鎖が首筋をかすめて地に落ちた。それをひきずったまま子どもはお堂のなかに入っていった。
おそるおそる、あとを追う。
八月の七夕。お堂に消えた子ども。背中に流れ星を付けたその姿は小さな神様のようだ。
なかに入ると、そこにも七夕の飾りがあった。笹の下には机が置かれ、水色やピンク、黄色の花々が美しく飾られている。
小さな神様は扉に背を向け、花々を手に取っていた。
背中の星の印にそっと触れてみる。
ゆっくりと神様が振り返った。間近で見ると怖いぐらいに肌が白くて黒目が輝いている。
やっぱり……人じゃない。
そう思った途端、身体が硬くなった。すると神様が手にしたピンク色の花を唇に押し当ててきた。軽く口を開けたら、ほろりと溶けて甘い味が広がった。
「お菓子? お菓子の花だ……」
食べてしまうのが惜しくて、その花を手にして耀子は座り込む。
顔を上げると、小さな神様がお菓子の花を食べながら笑っていた。
その笑顔に身体がほぐれてきて、耀子はそっと横になる。やわらかな風がほおを撫で、さやさやと笹の葉の音がした。
身体じゅうがあたたかいものに包まれた気がした──。
気がついたら、目の前にたくさんの足があった。
あわてて耀子は顔を上げる。
大勢の大人の顔が見下ろしている。口々に何かを言い、怒っているのはわかるが、耳の奥でカラカラと音がして、何が起きたのかわからない。
頭を抱えてうずくまったら、震えてきた。その瞬間、ふわりと身体が宙に浮いた。
「無粋なことを言うものではない、ご一同」
そっと目を開けると、白髪の老人に抱き上げられていた。
「震えてござるよ、このお姫様が。のう?」
老人が軽く背中を叩きながら、顔をのぞきこんできた。黒々とした大きな目だ。
「どこかの織姫様のお供だろ、お嬢ちゃんは。お母様はどこに行った?」
背の高い女が老人の耳元で何かを言った。そうか、と言って老人が一瞬、怖い顔をした。
抱きかかえられたままお堂の外に出ると、あとを大人たちがついてきた。
背中にまわされた手に、神様かと耀子は聞いてみる。
人だ、と老人は答え、そのあと穏やかな声で聞いた。
「どうしてそう思った?」
「星だらけ……空の……上みたい」
屋根瓦の星の印を指さすと、老人が笑った。
「これは花だよ。この家の紋、撫子だ」
「花?」
そうだ、と言って老人が笑った。
「ここは峰生の常夏荘。静岡県は天竜川の奥深き場所。よう帰ってきたな、お嬢ちゃん」
「帰る……」
「そうだ、おかえり。間宮のお嬢ちゃん」
そう言うと、老人が耀子を地上に降ろした。
「ここがお父さんのふるさと、天竜の源、峰生だよ」
ふかふかとした苔の上に立ち、耀子はあたりを見回す。
峰生、お父さんのふるさと。常夏荘、星のような花……。
第一章
常夏荘を見下ろす丘の中腹から、遠藤照子は峰生の山々を眺める。
連なる山の木々は天竜杉と呼ばれる木材を産出する人工林で、おそらくそのほとんどがこの遠藤家のものだ。だけどそうした表向きのことは女には教えてもらえない。
ましてや長男の未亡人には。
十年前、三十七歳のときにこの家の跡継ぎだった夫、龍一郎を亡くした。龍一郎はもともと体が弱く、そこまで生き長らえたこと自体が自分にとっては奇跡だと言っていた。『風』のおかげだと。
乾いた風が吹いてきて、思わず照子は絹のショールをかきあわせる。目を落とすと、少し先の草むらに一輪の撫子が揺れていた。
夏の名残のその花を照子は見つめる。
この撫子を紋にする遠藤の一族は、江戸の昔から山林業と養蚕業で栄えてきた。彼らは代々、得た富を峰生の里の発展に惜しみなくそそいだことから、いつ頃ごろからかこの集落の人々は遠藤の本家の当主のことを『親父様』、その内向きを取り仕切る女主人を『おあんさん』と呼んでいる。
明治時代に先代の親父様が林業に加え、絹の取引と米相場で巨万の富を得て、この家はいよいよ栄えた。さらに現在の『親父様』、遠藤龍巳 が東京や京都などの大都市の地所を買い付けて手広く事業を興し、戦後の数々の改革もうまく切り抜けたことで、高度成長の波に乗り、昭和五十五年の今もこの家は栄え続けている。
一族は大正の終わりに住居を東京に移したが、明治期に先代が峰生に建てた邸宅は今も遠藤本家のよりどころになっている。その昔は山城があったという地に天竜の木材を惜しみなく投入し、八年の歳月をかけて造られた豪壮な建物群は遠藤家の紋、撫子の別名にちなんでこう呼ばれる。
『常夏荘』と。
ごたいそうなことで。
心のなかでそうつぶやきながら、照子は足下に広がる光景を見る。
常夏荘には遠藤家の人間が住む邸宅の他にも客用のゲストハウス、使用人が住む長屋、多くの蔵などが建ち並び、明治の昔は四十人近い人間が暮らしていたという。
しかし今はほとんどが閉めきられ、使っているのはほんの一部だけだ。
そしてこの広大な敷地を管理することで、長男の未亡人である照子は日々の暮らしを親父様に保障されている。
そやから……しょうがないのやわ。
風が髪をなびかせる。その髪を押さえながら、照子は邸宅を眺める。
遠藤家は栄えているが、跡継ぎに恵まれない。七代目、八代目は親戚からの養子で、十一代目にあたる夫、龍一郎は早世、息子の龍治は大学生になるが、それほど丈夫なたちではない。
照子を嫁に望んだのは、家柄に加えて体格が良く、健康そうだからだと親父様は言っていた。
昔ふうに言えば五尺六寸。家の鴨居につかえる身長は、背を丸めても目立ってしまう。縁談が来ても、たいてい相手のほうが小柄で釣り合いがとれない。そのうえ関西の名流と呼ばれる血をひいてはいても、父亡き後に親戚の家の離れに母と妹と三人で暮らしていた身ではすべてにおいて肩身が狭い。そうしたなかで持ち込まれた縁談は、資産家だが病弱で縁談がまとまらないという二十三歳の龍一郎とのものだった。とても優秀だと聞くが年下だし、まったく気乗りしないまま、見合いの席に向かった。
すると会うなり龍一郎が微笑んだ。
「風が来た」
かさだかい、と言われたようで、相手を見下ろすと、「まるで風だね」と再び龍一郎が笑った。
釣書の写真で見た以上に小柄だ。しかしその男はとても凜とした表情で見上げてくる。
「あなた、もっと堂々と歩けばいいのに」
朗らかな声で龍一郎が言った。
「どうしてそんなに背を丸めるの?」
堂々と背を伸ばして歩いたら、もっと風を起こすだろう。
この話に乗り気ではないからそんな軽口を言うのだと思った。
ところが遠藤家はこの縁談に大乗り気で、ぜひとも話を進めたいという。
きこりの家に嫁ぐのかと当初、母は嘆いたが、この結婚のおかげで実家の暮らしは安定し、妹も望むところへ嫁していった。すべてが順調に進んだように思えた。
龍一郎以外は。
結婚してすぐに長男の龍治を授かったとき、龍一郎はありがとうと言って泣いた。それ以来、龍治は成長していくが、龍一郎はおとろえていく。三十歳を超えたあたりから心臓が弱いうえに糖尿病を併発し、病をなだめるようにしながら働き続けたが、とうとう三十四歳のとき、ひとまず仕事を離れて、この常夏荘に療養に来た。
小学校の高学年だった龍治は一緒に行きたがらず、学校の都合もあるので親父様のもとへ預け、照子が東京と峰生の間を行き来する日々が続いた。
空に薄く、茜色の雲が浮かんできた。
常夏荘の庭にさす夕暮れの光を照子は見下ろす。
亡くなる一ヶ月前に、あの庭で龍一郎と過ごした。そしてこの丘を教えてもらった。
龍一郎の車椅子を押していたらこの丘を見上げて、登らないかと誘われた。邸宅の裏口から山道を少し上がる丘には、彼の足ではとても行けそうにない。
今ですか、とあのとき聞いた。
即座に、「できれば今」と龍一郎が答えた。
誰か男手を呼んで、背負ってもらおうと思った。だけど二人きりでいたかった。
「では私が……背負っていきましょうか」
冗談まじりに言ったら、龍一郎は目を見開き、それから笑った。
「お照に背負われていくのかい? 不甲斐ないね。支えてくれれば歩くよ、ゆっくりになるけれど」
「では、間宮を呼んでまいりましょうか」
その日は龍一郎の秘書、間宮裕一が東京から常夏荘に来ていた。
二人きりでいたいんだよ、と龍一郎が笑った。
そして歩き出したが、龍一郎はすぐに足を止めた。ためらう夫をなかば強引に背負ったら、驚くほど軽かった。そのまま山道を上がっていったら、風のようだね、と夫が笑った。
「一気に吹き上がりましょう」
「ゆっくりでいいよ、本当にすまないね」
「平気です。私、大きいですもの」
それでも男の体はみっしりとした質量があり、丘の中腹まで上がると軽く手がしびれてきた。休もうと言おうとしたとき、あともう少しだと、龍一郎が言った。
「上まで登るのではないのですか?」
「あともう少しなんだ」
やがて道が開けて、小さな原に出た。思わず照子は歓声を上げる。
八畳ほどの広さのところに撫子の花が群生していた。
「ここが目的地」
下ろしてくれと言われて、花のなかにそっと龍一郎を下ろした。
「照子に見せたかったんだ。ここは僕が世界で一番好きな場所。振り返ってごらん」
振り返ると、花の向こうに常夏荘と峰生の里が広がっていた。
「花が咲いているときに一緒に来たかったんだ。日暮れどきのこの時間が一番きれいに見える。龍治が来たときにと思ったけれど、急に照子と見たくなった。なんで泣くんだ?」
気が付いたら泣いていた。
「なんでや、わからしません」
「京都弁が出たね。僕は好きやで、照子の京言葉。東京にいるときはすました言葉を使うけど、ここにいるときは気取らんと照子の言葉でしゃべったらええ。これでおうてるか?」
「ちょっとアクセントが違います」
「京都弁は難しい」
そう言って龍一郎が峰生の里を見た。
「僕は峰生の子だから、遠州弁と東京弁のちゃんぽんで、注意しないと妙な言葉になってしまう」
戦時中の一時期はここで過ごしたというものの、それ以外は生まれも育ちも東京のこの人が、自分を峰生の子と言うのはとても不思議だ。
だけどこの広い空の下から景色を眺めると、その気持ちがよくわかる。
揺れる花々、緑の森。常夏荘の瓦は波のように広がり、その下には青く流れる天竜川。
まるで天国から見下ろしているようだった。
花にそっと触れ、龍一郎が微笑んだ。
「うちの家紋は撫子だろう。だけど庭にはないんだよ」
「どうしてでしょう? 植えてはならぬという、いわれでも?」
「ないよ、そんなもの。単に土の性が合わないだけだろう。それとも作り込んだ庭には咲かせにくい花なのかな。だけどここには咲く。ここにだけは」
風が吹き上がってきて、龍一郎の髪がなびいた。
「照子は本当に風のようだ。僕の人生にさあっと吹き込んで、いろいろなものをくれた」
花のなかに寝転び、龍一郎がつぶやいた。
「家庭、息子、寿命。僕は内心、三十歳を超えるまでは生きられないと思っていたけれど、君のおかげでここまで生きてきた。僕がおらんようになったら、遠慮せんと照子は好きに生きたらいい。龍治を連れて、京都へおかえり。そうできるようにするから」
「そんなこと、おっしゃらないで」
「好きなところで好きに生きればいい。照子に東京はうるさすぎ、この峰生は退屈すぎるだろう。だけど僕はここがいっとう好きなんだ。山が見えるやろう。あれはうちのお山、大勢の山の人たちが守っている。あの人たちのおかげで峰生の森と水はどこよりも綺麗で、地滑りもない」
風に吹かれて撫子が揺れた。優しく花に手を伸ばして、龍一郎がつぶやいた。
「なでし子、めぐし子、いとしき子。触れて撫でたくなるような、愛しき君よ」
「どなたの詩ですか」
「僕の友人がそう詠んだ。詩人だったらなあ、今、この瞬間を詩に残すのに」
たとえば、と問うと、「たとえば」と龍一郎が答えた。
「そうだね……清き瀬の里、揺れる撫子」
龍一郎が花越しに照子を見て微笑んだ。それから起き上がると、軽く咳き込んだ。
「うまくまとまらないな。続きは、またそのうち」
「では、またここに詩を作りに参りましょう。風がお運びします」
龍一郎が再び微笑んだ。その顔に微笑み返すと、また笑った。
「風が笑うと力がわいてくるよ。何もかも怖くなくなってくる」
「そんなら笑て、笑て、うちが何もかも、悪いもんを追い払うてしまいますよって」
頼もしいね、と龍一郎が言った。
「照子の笑顔は天下一品。鬼も逃げだし、闇をも祓う」
それから再び撫子の丘に行くことなく、龍一郎は逝ってしまった。享年三十七、息子の龍治が十二歳のときだった。
龍一郎亡き後に東京に戻り、『親父様』こと、龍巳のもとで息子の龍治と暮らしたが、その三年後に龍巳は若い愛人との間に次男・立たつ海み をもうけた。その頃から龍巳とも龍治ともそりが合わなくなり、龍治の大学進学を機に峰生で暮らしはじめた。
以来、この地では『常夏荘のおあんさん』と呼ばれている。
ため息をそっとこぼして、照子は再び思う。
しょうがないのやわ……。
夫の思い出とともに静かに暮らしてきた。それなのに突然、その暮らしに波風が立ってきた。
*
続きは発売中の『なでし子物語』でぜひお楽しみください。
また、シリーズ第2巻『天の花 なでし子物語』は好評発売中、
シリーズ最新巻『地の星 なでし子物語』は、8月4日ごろ発売です。
伊吹有喜
三重県生まれ。出版社勤務を経て、フリーのライターに。2008年『風待ちのひと』(「夏の終わりのトラヴィアータ」改題)でポプラ社小説大賞・特別賞を受賞してデビュー。二作目の『四十九日のレシピ』がドラマ化・映画化される。他の作品に『ミッドナイト・バス』『今はちょっと、ついてないだけ』『彼方の友へ』『雲を紡ぐ』『犬がいた季節』、また「なでし子物語」「BAR追分」シリーズなどがある。