
4月14日(月)。
この日は夕方まで完全オフ!でした!
せっかくパリにいるのだから観光予定を入れようと思えば入れられたのですが、普段ほとんど部屋に籠って座業をしている私にはちょっとハードな日々。まだ仕事のスケジュールは残っているので、午前中は体力温存のためホテルで体を休めることに。
ベッドにごろんと横になり、メールチェック。
私はスマホとパソコンメールアドレス(仕事用)をあえて紐づけていないので、出発前に各社担当編集者さんに「しばらく出張なので、お急ぎの件がありましたらGmailにご連絡くださいね~」とお知らせしていました。
……きてるよね。
お急ぎの件、きてるよね。
わかっていたよね、私。
すごい時代だよね。
国境を越えたって、タダみたいに(実際無料ということではないけど)メールも電話もLINEもできて、WordもPDFも画像も動画も全部スマホで見られちゃうんだよ……。
遠距離恋愛の壁って、完全に薄くなったよね。どうなんだろう。それはそれで別の問題も発生するのか。
なんてことを考えながら、ベッドの上でぴこぴことスマホ作業。
メールを送信すると、あっというまにまたお返事がくる。
働き者だなあ、皆さん。いつもありがとうございます。
そしてひととおりのやりとりをしたところで、三枝さんとの待ち合わせ時間。
午後はふたりで街に出ようと約束していたのです。

ゴミ箱。フォルムが可愛い。
他に写真はなかったのかと探したけどこれしか撮ってなかった。
でもやっぱり可愛い。
ちょっと調べたら、「瓶専用」らしいです。さすがワイン大国フランス。

ベーカリーをのぞく。

絶対美味しい。
でもがまんする。
なぜって、私は、パリで行きたいところがあったから。
それは……

マクドナルド!
なぜ私がマクドナルドに行きたかったかというとですね、間違いなく「ある」と思っていたから。
つまり、日本との違いがわかりやすいお店だと思ったからです。そこを知りたかったのです。

このシックな配色!
京都のマクドナルドも「景観を損ねないように」と控え目な色使いをしているそうですが、それに通ずるものがあるのかしら。(このあと現地スタッフに訊いたら、パリ全店ではないそう)
そして私が注文したのは、チーズバーガーと

ホットショコラ!
日本のマクドナルドでもマックカフェメニューに「ホットチョコレート」があるようですが、それとも少し違う感じ。
あらかじめ、カップに泡立てたホットミルクが入っているのです。

そこに粉末のチョコレートを入れて、かき混ぜるというもの。
オシャレすぎませんか……!
美味しい。美味しいよ。
こってり甘いというのではなく、上品なつつましさが感じられました。
チーズバーガーはあまり印象にないので、サイズも中身も日本とそんなに変わらなかったと思います。「食べたっけ?」ぐらいに思っているけど写真に写ってるから食べたんだな。
旅の記憶なんてあてにならないですねぇ。
そして街へと繰り出す私たち。
お土産ショッピングがメイン目的です。
三枝さんが事前に調べてくださって、人気スーパー「MONOPRIX」と高級食品店「LA GRANDE ÉPICERIE PARIS」へ!
またまた写真が一切なくてぜんぜんレポートになっていないのですが、ここで雑貨やお菓子などを見て回るのがそれだけでもすごく楽しかったです。
フランスのお土産といったらやっぱりチョコレートだよな~としこたまカートに入れ、甘いものが好きな人ばかりとは限らないので三枝さんおススメの「有名レストランの塩」もいくつか購入。
そして…
そして……

エッフェル塔とご対面……!!!
離れて見ただけだったけど、それぐらいがいいんです。
ああ、今さらだけどパリに来たんだね。本当に来たんだね。
美しい青空が私たちを歓迎してくれているではないか。
お土産を携えてホテルに一度戻り、少し休んでから、夜は現地スタッフさんと会食でした。

素敵なレストランでのディナー。

左から、
服部氏(イングリッシュエージェンシージャパン)、李さん(ニューリバーエージェンシー)、エレンさん(J’AI LU社長)、カリーナさん(LEDUC社長)、私、ミヤコさん、カミーユさん(NAMIエディター)、三枝さん(ポプラ社担当編集)
ここであらためて相関図(?)を説明すると、
私の著書のフランス語版を刊行してくださっているのは出版社「LEDUC」の「NAMI」というレーベルです。
LEDUCには、フィクション、ノンフィクション、占い、ビジネス、漫画などさまざまなレーベルがあり、NAMIはその中で「あたたかなフィクション」を専門分野としているそう。

さらにNAMIはステショナリーも展開しているそうで、特製ノートもいただきました。
AOYAMA MICHIKO! オレンジ!
NAMIの名前は日本語の「波」からきているそうです。
なんて感動的なお話。海は世界を繋いでいるんだな。
私はフランス滞在の間ずっと、自分の星座である双子座をモチーフにしたネックレスを身に着けていたのですが、占い好きのカリーナさんが「それは双子座ね」とすぐに気がつかれたので「さ、さすが…!」と思いました。12星座が世界共通なのも今さらですがすごい話です。
お食事をいただきながら、いろいろなお話をしました。
日本とフランスの出版(特に文芸)の違い、これからどんなことをやっていきたいか、そして人としての生き方について……。
「フェミニズムについてどう思われますか?」という質問を投げかけられ、ドキリとしました。
私の意見が「日本人代表」と受け取られてしまったらと思うと緊張しましたが、私個人の、物書きとして感じることをお答えしました。こんなストレートな会話ができたことも貴重な体験でした。
そのうち更年期障害が話のテーマとなり、正直に打ち明ける私。
私とほぼ同じ年のエレンさんはもう体調不良を抜けたそうで、
「私はワインと煙草で乗り切ったわ!」
と非常に快活に笑っていらして、なんだかすごく元気づけられたのでした。
私の生活にはお酒も煙草もないけど、そうやって「好きなこと」の力を借りながら乗り越えられるのだと思いました。
「私も、トンネルの先の光がようやく少し見えてきたのを感じています」
私がそう伝えると、エレンさんはきっぱりとこう言ってくださいました。
「その光は、はっきりと強くなっていくわよ」
あのときの彼女の清々しい笑顔。パリジェンヌの美しさ、たくましさに触れました。
フランス滞在での、忘れられないシーンのひとつです。

食後のホットショコラ!
お昼にマックで飲んだのに、またオーダーする。
このお店のはパウダー多めな感じ。美味しかった。
とっても楽しくて幸せな夜でしたが、私にはひとつだけ、さびしいことがありました。
それは、この会食をもって今回のミヤコさんのお仕事がラストだということです。
食事の間も、ていねいに通訳をこなしてくださり、「ミヤコさん、コース料理を食べなくちゃいけないし全員の話をしっかり聞かなきゃいけないし全部通訳しなくちゃいけないし、大変だなあ」と思っていました。でも彼女はまったく大変そうではなく、とてもスムーズに会話を成立させてくださり、こんな素晴らしいお仕事をしてくださったミヤコさんと今日でいったんお別れなのか……と思うと私は悲しくて仕方ないのでした。
クレモンスさんの最終日には思わず泣いてしまったので、ミヤコさんとのお別れのときには泣かないと決めていました。ちゃんと笑って、御礼を言おうと。
……でも、やっぱり泣いてしまったよ。
ホテルの前で「それでは、ここで」という瞬間に、こらえきれなくなってしまって。
お互いに頬を濡らしながら、伝えきれない感謝と、きっとまた会いたい気持ちを、私なりにお話ししました。そのときミヤコさんが私に言ってくださったあたたかな言葉も、大切に胸にしまってあります。
遠いけど近いフランス。
ミヤコさんがパリでがんばってお仕事されていると思うと、私も力が湧いてきます。
ミヤコさん、本当にありがとうございました。

LEDUCからのギフト。オリジナルトートバッグと、世にも美味なチョコレート。
そして「オレンジ色を探したけど見つからなかったから」と渡された白いカバ!
フランスナイズされた色白カバヒコを抱きしめ、明日は私もフランス出張最終日です。続く!

