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【うちがふつうで、よそがへんなの!6】模様替え好きの子年
どこかちがうところへ行きたいという気持ちのつよい引きこもり体質である。そうなると、部屋をちがうふうにするしかない。 小さなわたしは親に黙って、家具の配置をせっせと変えた。 ベッドを真ん中に置いてみたり、勉強机を窓辺...
「うちがふつうで、よそがへんなの!」は母の口ぐせである。言われるたび、私はむくれた。うちはどこか変なんじゃないかと、思っていたのだ。けれどいまは、人はそれぞれ、自分の暮らしをふつうとして生きているのだとわかる。だから、この連載では、小原家のふつうの話をふつうに書いていくつもりである。
——小原晩
『ここで唐揚げ弁当を食べないでください』『これが生活なのかしらん』など、エッセイ刊行のたびに注目を集め続ける小原晩が、幼少期を中心に自身の家族の「ふつうの日常」をえがくエッセイ。