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伝統と歴史と新しいものと
10 伝統と歴史と新しいものと 〈バーバーひしおか〉さんのご主人で、桔平さんのお父さんは朱雀凌次郎さんっていうものすごく立派そうな名前なんです。 そして、ご主人なのに〈バーバーひしおか〉は〈バーバーすざく〉じゃないのかっ…
10 伝統と歴史と新しいものと 〈バーバーひしおか〉さんのご主人で、桔平さんのお父さんは朱雀凌次郎さんっていうものすごく立派そうな名前なんです。 そして、ご主人なのに〈バーバーひしおか〉は〈バーバーすざく〉じゃないのかっ…
魅力的な登場人物とおいしいものがたくさん登場する温かな読み心地のミステリーで人気を博している斎藤千輪さんの新作『ミント邸で夜の茶会を』が、ポプラ社より4月に刊行となります。舞台は海街の高台に佇む、コロニアル建築の瀟洒な…
8 甦らせる夢 桔平さんが持ってきたのは、石像のスケッチ。 でも、相当に古いものみたいでかすれちゃったりしていて、よくわからないんだけれども。 千弥智依さんがそのスケッチの紙を、慎重に持って見つめて。「これ、なんかすぐ…
のっけからいったいなんの話だい? と思われるかもしれないが、畑野智美さんは私の師である。もちろん直接教えを受けたことはない。だが師だ。心の師と書いてマスターとルビをふりたいぐらいの思いがある。 さかのぼること十数年前、…
「貴様を、我が花嫁を傷つけた罪で“地獄送り”に処す!」 豪奢な屋敷に招かれた貴賓たちが、息を呑む。 今、私を断罪したのは、鬼の一族の次期当主となる男。 私は彼に、嫁入りする予定だった。 ところが彼は別の女性を抱きながら、…
浪華なにわか江戸か。築山桂の時代小説を手にして、まず気にするのがこのことである。というのも一九九八年の第一著書『浪華の翔風かぜ』を刊行してからしばらくの間は、NHK土曜時代劇「浪花の華 ~緒方洪庵おがたこうあん事件帳~…
4 継がれていくものには 質屋さんと同じような感じでね、って千弥さんに教えてもらっていた。 例えばだけど、たくさんの同じような壊れた商品を持ってきて、これを全部修理してほしい、なんていう注文があったとき。必ず、身分証明…
連載二回目は、前回の渋谷から山手線外回りで13駅離れた、日暮里駅からスタート。改札を出ると、平日昼間にも関わらず沢山の人が行き来している。日暮里は、私の中でそこまで人がいるイメージはなかったが、と思っていなかったが、想像…
ユニバーサルシティ駅を出て一歩踏み出す瞬間、杏子きょうこはかならず、あえて顔を伏せる。脈がはやくなるのを深呼吸で抑える。一、二、三、と数えて、それからぱっと顔を上げる。大好きな風景だから、改札から吐き出される大量の人び…
もしも願いがひとつだけ叶うなら、ママはなにをお願いする? 娘がまだ幼かった頃に、初佳もとかはそう問われたことがある。ちょうど、保育園から帰るところだった。前後に子ども用の座席を設置した自転車にまたがり、保育園を出るなり…