
- エンタメ
【変な奴やめたい。12】幻のトカゲ
私の家は急な坂の途中にあって、そこからさらに50メートルほど坂を登ったところには広い空き地があった。手前に小柄な桑の木が生えていて、ほかに目につくものはなにもない。草と石ころばかりの空き地だ。 小学校がおわると、私は…
私の家は急な坂の途中にあって、そこからさらに50メートルほど坂を登ったところには広い空き地があった。手前に小柄な桑の木が生えていて、ほかに目につくものはなにもない。草と石ころばかりの空き地だ。 小学校がおわると、私は…
なにか新しいことをはじめたいなと思うことがあっても、つい後回しに。気負わず、ちょっとしたことからやってみようか?例えばスタバの新しいカスタマイズだったり。タクシーアプリを使ってみたり。その先になにがあるかはわからないけれ…
プロローグ 軽く、ひそやかな音が聞こえてきた。 その響きの心地良さに、トラックで仮眠をとっていた青年は目が覚めた。 歌うような女の声がした。「襟足は大事。ここが決まると男っぷりがあがるからね」「へえ、そんなもんかね」…
「貴様を、我が花嫁を傷つけた罪で“地獄送り”に処す!」 豪奢な屋敷に招かれた貴賓たちが、息を呑む。 今、私を断罪したのは、鬼の一族の次期当主となる男。 私は彼に、嫁入りする予定だった。 ところが彼は別の女性を抱きながら、…
わたしはよく風邪をひく。 以前占いで、「前世では毎回早死にしてるので、こんなに生きたのは今回初めてです。」と言われたこともあるほどの儚い女だ。 パリにて中学時代の友達と遊ぶ中感じた、「あれれ、何だか喉の調子がおかしい…
「はいったことねえ店で飲みてえなあ」 そんなことを考えながら夜の高円寺をぶらぶら歩いていました。もう10年も前のことです。 そのとき私の目に飛び込んできたのが、でっかい「チェーン店」の文字。古びた赤ちょうちん。入口の…
「明日はまつりに行こう」と、土曜の夜に父が言った。 なんだか、へんな気がした。 父はひとの多いところをとことんきらう人で、小原家はこれまで、ひとの集まる場所へは、ほとんど出かけたことがないのである。それが、まつりに行く…
最近は執筆の仕事の延長で、ラジオやテレビなんかに出る機会が増えた。それに従って、自分とは全く関係ないと思っていた、いわゆる“芸能人”と呼ばれる人たちに会うことも多い。 大好きな芸人さんや、誰もが知っている芸人さん、そ…
連載第三回目は、池袋を歩く。 池袋にはプライベートでもよく遊びに行くことがある。 この街は平日、休日関わらず、人々で溢れとても賑やかだ。歩く人々を眺めているだけでなんだか面白い。 赤、緑、オレンジ、奇抜な髪色をしていたり…
なにか新しいことをはじめたいなと思うことがあっても、つい後回しに。気負わず、ちょっとしたことからやってみようか?例えばスタバの新しいカスタマイズだったり。タクシーアプリを使ってみたり。その先になにがあるかはわからないけれ…