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#2 Shall we ホルモー?
このたび、デビュー作『鴨川かもがわホルモー』が刊行から十八年のときを経て、舞台化(十五年ぶり二度目)する運びとなった。 ついては、「本読み」なるものにはじめて参加した。 そも、「本読み」とはいかなるものか。 それは、役…
このたび、デビュー作『鴨川かもがわホルモー』が刊行から十八年のときを経て、舞台化(十五年ぶり二度目)する運びとなった。 ついては、「本読み」なるものにはじめて参加した。 そも、「本読み」とはいかなるものか。 それは、役…
いつも連載小説『隣室はいつも空き部屋』を読んでくださり、ありがとうございます。 このたび、連載第12回をもちまして、本作品の連載を終了させていただくことにしました。 物語の途中での公開終了で、楽しみにしてくださっていた方…
内気だけれど腕利きのパティシエと、お菓子の魅力を「物語」としてお客様に伝える「ストーリーテラー」がいる洋菓子店を舞台にした、野村美月さんの「ものがたり洋菓子店 月と私」シリーズ(ポプラ文庫)。個性豊かな登場人物の織りな…
プロローグ 三十年に一度と言われる大寒波は、滅多に雪が降らない九州南部の海岸線にも記録的な降雪をもたらした。 一夜明けてもまだ、湾の上空は分厚い雲に覆われている。 曇天を映した重油のような色の波が、のたりのたりと寄せ…
駅前のお花屋さんを舞台にしたハートフルストーリー『花屋さんが言うことには』(山本幸久さん)が大好評発売中。 あっという間に大きな重版となりました! 大ヒットを記念して、本をお店にできちゃうPOPプレゼントキャンペーンを開…
ついに開幕である「万城目学のエッセイ万博2024」! エッセイ連載のタイトルには、常に「万」をつけていくスタイルゆえに、今回の連載を始めるにあたり、「万博」なる単語を採用した。 されど、「万博」の言葉が持つ「世界に開け…
世界は無彩色でできている。 花も空も季節でさえ、 この目には灰色に映る。 けれども君がそばにいて、 当たり前に笑っていたから、 僕はずっと、大切なことに気づけなかった。 三百六十五日。 君が残した言葉のすべてが 僕に恋…
序章 あちらの屋台からは、串打ちの肉を焼く煙。 こちらの蒸せい籠ろからは、ふかした饅まん頭じゅうの匂い。 威勢のいい呼びこみの声と、雑踏を包む喧けん噪そう。 大通りでも靴を踏まれず歩けないほど、幻げん国こくの市し井せ…
プロローグ 涼りょう太たは三月二日という日付を忘れない。その日、六歳の彼は母を失った。 涼太の母は美しいひとだった。いつも忙しくしていて何日も出かけることが多かったが、家にいるときは彼の知らない歌をハミングしながら料…
プロローグ 1 『家族による代筆で、訃報を申し上げます。ミマサカリオリは二十六日の未明に、心不全で息を引き取りました。これまで応援して下さった皆様に、心より感謝致します。本当にありがとうございました。』 それは、S…