2022.07.29 青春 なでし子物語 プロローグ 一九八〇年 八月七日 立秋 泣いていたらいつも抱き上げられ、背中を撫なでてもらえた。 とてもあたたかい、大きな手だ。手を広げてその人の首に抱きつくといい匂においがした。 あれはおとうさんかな、と思うけ...