2022.03.23 書評 ゆったりと流れる時間とともに描かれる、家族の歴史 いいなあ、これ。時間がゆったりと流れていくのだ。 たとえば、「一九七五年 処暑」と題された二番目の章は、家庭教師光野昇の側からある家庭を描く章だ。この「家庭」こそ、本書の中心となっている藤巻家である。中学三年の和也は...
2022.03.20 エンタメ書評 家族の歴史の中に描かれる、変わるものと変わらないもの。 立春、啓蟄、春分、穀雨、立夏、夏至、処暑、秋分、立冬、冬至……。一年を二十四の季節に分けた二十四節気、あなたはすべてご存知だろうか。春分と秋分にお墓参りをするなどこの季節に合わせて年中行事を実践したり、手紙などの季節の...