2024.06.26 エンタメ 蛍と月の真ん中で 第一章 蛍の行方 夏の夜の途中を、何もかもを失って歩いていた。 左手に広がる田んぼから、五月蠅いほどに蛙の声がしている。両肩に食いこんだリュックには、カメラと交換レンズが数種類。あと数日分の着替え。側面のポケットには...