みなさま、おつかれさまです。児童書促進部、田中僚子です。
広島で書店営業やっております。
一般書編集部・森さんからの『本棚の2列目』のタイトルのメールを見た瞬間、頭を抱えて腹の底から「うぉああああ来たかあぁあ」と呻き悶絶すること一昼夜。
畦崎さんの回を読んで自分の本棚を反省し、在庫のダイエットを行ったら触りのよい小説類はなくなってしまった後だから、なお始末が悪い。
あの人が出ていない、この人もまだ晒してないじゃないかっと思いつつも、ここは恥を捨て、教養の薄いうちの本棚をご紹介させていただきます。
ちなみに本棚は家族と共有しているので、すべてがわたしの頭の中身ではないことをお断りしておきます。
まず居間のメイン本棚。
整理されていません。非常に探しにくい。
『サザエさんをさがして』の横には『漫画サザエさん』を挿すべきだろう。
いつも書店でていねいにカテゴリ分けされた書棚を見ている仕事柄、許せません。
では棚ごとにざっと見ていきましょう。
超インドア派でしたが、2年前から登山をたしなみはじめました。
【ヘタなミステリーより怖い!道迷いの本】みたいなインターネット記事で紹介されていた、ヤマケイ文庫の『道迷い遭難』を読んでから山岳遭難の本に一気にはまってしまい、ヤマケイの実録遭難シリーズを始め新田次郎、馳星周、安曇潤平、本多勝一らの山の怖い話を探しまくり読み漁るうちに、なぜか登山準備を始めてしまいました。
森で道に迷うというのは本当に怖いことです。映画『ブレアウィッチ・プロジェクト』はハイキングの最中に思いついたに違いありません。
実際には登山にスリルなど求めて登っておりませんが、話のなかに描かれる山の奥深さ、神秘性に惹かれたのかもしれません。
映画秘宝MOOKはいつも嗜好をくすぐる新刊を出してくるのでどんどん買ってしまい、洋泉社にはかなり貢ぎました。
同世代の編集者たちに、まんまとしてやられている感があります。
ただ、このシリーズは背があまり美しくないので二列目に隠しておきたい。
本来は一列目に小説とかあったわけですが、前述のように在庫が減ったために現れてしまいました。
恥ずかしいです。なんだ『80年代悪趣味ビデオ学入門』て。
連載の主旨通り、前列を外しますと、
こんなわけで映画は「読んで観たような気になっている」作品が多いです。
こちらは居間のサブ本棚です。
『仁義なき戦いBlu-rayBOX』は置いておきまして(未見の人は観るように)、古本屋で手に入れた『ハリウッド・バビロン』や1966年の『ガロ』なんかが見えます。
ネットで古書が手に入れやすくなったので在庫が簡単にまた増えていくわけです。
続いて寝室の本棚になります。
こちらも、はや二列化の兆候が見えます。
長編で継続中や、読み返し頻度の高いマンガを押し込んでます。
宮尾登美子の土佐モノは大好きです。
土佐弁は尊い。坂東眞砂子も一時はまりました。
あ~なるほど。棚に生き残ってる小説は、女性作家が多いことに気づきました。
読み終えてからブックカバーを外すようにしていたら、カバー付の本が山積みになった経験ございませんか。タイトルを見失うと積読に拍車がかかるので、棚に入れる時点でとにかくカバーを外すようにしました。
いつか読もうと入れたままになってる本がいくつもあります。
『鬼太郎夜話』たまに読み返します。アニメとは違う、タバコをふかしつつ金がないとボヤく鬼太郎がなんともかわいいです。
こちらは食器棚を転用した本棚。このへんになると本棚というより保管棚です。
小野不由美『屍鬼』は当時、わざと1巻ずつ買いながら夢中で読みました。
映画を観て原作を読む流れが好きで、S・キングもよく読みましたが、わりと”まんま”だったりするなか、『シャイニング』と『ドロレス・クレイボーン(=映画「黙秘」)』は、映画と小説それぞれ素晴らしかった。
緑色の絵本は兄が学生の頃にカセットテープといっしょに買わされた英語教材本です。
家のあちこちに面陳しています。
食器棚下の戸棚の保管庫。実家を出るとき処分し難く持ってきた古いマンガが多いです。
宇田川さん、わたしも子どものときから大好きですよ『パタリロ!』…
『じゃりン子チエ』処分しては、コンビニ本を懐かしさに買って読み返し、面白いのでまた単行本で買い集める、のループを繰り返しているマンガです。
昔から、はまると簡単に中毒になるので、ちくまの全集文庫や歴史小説など
「ばっかり読み」の賜物はさらに別の保管庫に置いております。
最後に、
これは昭和16~18年の尋常小学校の教科書。
未使用の非常に良い状態で古本市に並んでいたのを入手しました。教諭用と思われます。
全教科ほしかったんですが、これだけでも高かった…
『ヨイコドモ』は道徳の教科書です。
当時の子どもたちの読み合わせる声が聞こえてきそうです。
地理は下巻が世界史で、第一章「大東亜」から始まります。面白いです。
そろそろ後始末のことも考えつつ在庫整理しなければならないトシになって来ましたが、
改めて眺めてみると、自分ではできそうにありません。
読みながら寝落ちする心地よさは、本に寝かしつけてもらっているよう。
あの本もこの本も、いつか伽をしてもらいたいので、なかなか手放せません。
見せるのがとても恥ずかしかったのに、見せるとなるとこまごま説明(と言い訳)したくなってしまいました。
紹介したい本、まだまだありましたが、とりあえずお見せするに留まります。
この後の回の方の本棚が、より低俗で、猥雑なことを祈ります。