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覇王の後宮 天命の花嫁と百年の寵愛
第一章 龍と獅子の攻防 ※※※ 大広間は真っ白に染まっていた。いたるところに白布が飾りつけられているのだ。黄金の龍が巻きついた円柱も、極彩色ごくさいしきの龍が描かれた壁も、玉座 ぎょくざの下にもうけられた祭壇さいだん…
第一章 龍と獅子の攻防 ※※※ 大広間は真っ白に染まっていた。いたるところに白布が飾りつけられているのだ。黄金の龍が巻きついた円柱も、極彩色ごくさいしきの龍が描かれた壁も、玉座 ぎょくざの下にもうけられた祭壇さいだん…
目次に並ぶ文字の意味が、ほぼわからなかった。 「ヴィルトゥオーゾのカプリス」、「シュヴァリエのクラージュ」、「トルバドゥールのパシオン」、「ピオニエのメルヴェイユ」――。理解度としては、ええーっと……フランス語……です…
尊敬するティーブレンダーの方が、ブレンドを生み出すときには舌や鼻だけでなく、茶葉が育った景色や風の音、その土地の香りを思いながら思考と試行を重ねていく、と仰っていた。 わたし自身、台湾のお茶を飲むときに味や香りととも…
冬森灯さん最新刊『すきだらけのビストロ』にPOPをつけてくださる書店様を大募集!POPコンテストを開催いたします! 『すきだらけのビストロ』の発売を記念して、POPコンテストを開催させていただくことにいたしました! 本…
2011年の本屋大賞第3位に選ばれた大島真寿美さんの『ピエタ』。 18世紀のヴェネツィアを舞台に、作曲家・ヴィヴァルディの残した楽譜の謎を巡り、 彼に関わりのあった女性たちの人生が交錯していく傑作長編です。 今なお感動の…
一回りして、ものすごく本格的。 倉知淳『大雑把かつあやふやな怪盗の予告状 警察庁特殊例外事案専従捜査課事件ファイル』の特徴を言い表すには、そういう表現が最もふさわしいと思う。それにしてもなんという長い題名なんだ。 ぱっと…
帯やポップに「感動の物語」と記されていると、あぁそうですか、と逆に気持ちが引くことはないだろうか。 スポーツでも、音楽でも、ドラマや映画でも、そして小説でも、結果として自分の心が感じて動くことには興奮もするし、感激もす…
* とりあえず別荘内に戻った。 紅林刑事と二人、階段をどんどん降りる。 茫然としてばかりはいられない。白瀬くんを冤罪から救わなくてはならないのだ。 このままでは熊谷警部達が、寄ってたかって白瀬くんを犯人…
* リビングから一階分上がった地下一階。その中央の部屋が目指す部屋だった。 ドアをノックすると、入り口を細く開けて顔を出したのは熊谷警部だった。捜査責任者の、堂々たる恰幅の刑事である。 熊谷警…
龍神湖には龍神様がおわします 龍神様は水と天候を司る神様です ある日、龍神様が云いました 「人間の姫君を贄として差し出せ」 その命令にお殿様は大いに腹を立て 「神と雖いえども我が娘を人身供儀じんしんくぎにせよとは…
シェフィールドは坂の多い街だ。丘が七つもあるらしい。どことどこが何という丘なのか、わたしにはさっぱりわからないけれど、とにかく寮と学校との間を上がったり下がったり、毎日通っている。なんだかわたしの人生みたいだなと思いな…
読書の秋がやってきました。 大好評の『わたしの美しい庭』(凪良ゆう:著)も、秋の装いに模様替えです。 全国の書店様で期間限定の「特別秋カバー」を展開中なので、ぜひ探してみてくださいね。 ★店頭の在庫については、最寄りの書…
* 「ところで、もう六時半を回ったね。親父、腹は減らないかい」 鷹志がそう云い、大浜社長もうなずき、 「うむ、そう云われれば時分時じぶんどきだな」 三戸部刑事がそれを聞き咎めて、 「社長、飲食物はどうか…
* 午後三時を回った。 いよいよ怪盗の予告タイムに突入した。 鷹志が気を利かせて置き時計を持ってきた。それを金庫の上に置いた。アナログ式の四角い時計だ。クリーム色でプラスチック製の安っぽい物で、…
窓から入ってくる陽の光がオレンジ色に変わりはじめると、あいつの気配を隣に感じる。 いったんそうなるともうだめだった。やりかけのレポートも読みかけの本も、なんにも手につかなくなる。 ベッドに寝転がってぼんやり天井を見…
『大浜富士太殿 貴殿の所有するブルーサファイアを頂きに参上する 怪盗 石川五右衛門之助 尚、期日は次のうちいずれかとする 7月14(水)15:00~20:00 7月21…
じつは、うちの息子が中学の最高学年(わたしが暮らしている英国ではセカンダリー・スクールは11歳から16歳まで5年間通います)で卒業間際であり、いまプロムの話でもちきりなので、おお、なんというタイミング! と思いながら読…
おもしろかったので、それだけを言って、あとは読んでね、と託したい。だって本当は、私なんかが言葉を連ねてほじくるのは、すごく野暮だと思うから。でも、ほじくらないでちょうだい、というタイプの人は、はじめからこんなもの読まな…
* 再び屋敷に入る。 スリッパに履き替え、名和警部の案内で木の廊下を奥へと進んだ。 書斎の隣の応接室の前を通過し、その奥がリビングルームである。さらにダイニングルーム、厨房へと続いてい…
死体は机に突っ伏していた。 椅子に座った姿勢で、そのまま机の上に倒れ込んでいる。 右手には拳銃。オートマティック式の無骨な銃である。 死体の右の側頭部には銃弾を撃ち込まれた跡があり、血塗れの穴が空いている。多…
プロローグ おや、いらっしゃいませ。人間のお客様とは珍しいですね。 こんな場所に来るのは、だいたいが霊か生き霊、あとは存在が不安定になった人だけですから。 ここはかくりよ町の果て、夕闇ゆうやみ通り商店街。私のようなはぐ…
ポプラ文庫ピュアフル5月刊『僕は、さよならの先で君を待つ』のあとがきをWEB限定で公開中です! あとがき 「僕はさよならの先で君を待つ」を読んでいただいた皆様、どうもこんにちは。久し振り。初めましてかもしれない。優衣羽で…
山本幸久さんの『花屋さんが言うことには』の刊行を記念して、素敵な<お花のアイテム>が当たるフォロー&リツイートキャンペーンを開催いたします ※ twitterでフォロー・リツイートするだけ!! ポプラ社文芸編集部のツイッ…
Ⅰ 泰山木 土曜の夜中、ファミレスに呼びだされた。 相手は男だ。とは言ってもロマンチックな話ではない。四十代なかばの冴えないオジサンなのだ。 君名紀久子きみなきくこのスマホに電話があったのは、三十分ほど前だ。会って話が…
巻頭に、作中人物の「私」が記した「序」がある。最初の一行は、〈これは物語という病に憑かれた人間たちの物語である〉。倉数茂『名もなき王国』は、読み進めるうちに、作中人物だけでなく読者もが物語という病に憑かれてしまう、不思…
《これは物語という病に憑かれた人間たちの物語である》という一文で幕を開け、《語りはつねに騙り、、であ》ると物語の虚構性にピンを刺す。そうして語りはじめられ、1人の男が静かに《瞼を閉じ》るまでの502ページ。主な登場人物は…
学校で〈希望〉という字を習った。〈キ〉と〈ボウ〉だ。〈ボウ〉のほうの字は〈のぞみ〉とも読みますと泉いずみ先生は言った。そのときは〈み〉をつけて〈望み〉と書く。では、ノートに五回ずつ書いてみましょう。 「先生!」 「はい…
セイさんは、しっかりと木佐ゲンさんのことも調べていた。 「丸子橋家と矢車家に関しては、君たちが聞いたものから特段追加するような情報はない。かつての豪農、庄屋、この辺りを治めていた長同士の確執と言った具合だ。丸子橋の言っ…
ポプラ社の本にご興味を持っていただき、ありがとうございます。 おかげさまで、2021年5月の刊行以来『死にたがりの君に贈る物語』(綾崎隼・著)への熱い感想を、SNSで見かけない日はありません。みなさまへの感謝を形にしたい…
二日目の夜。 〈花咲長屋〉のお店を全部回って、そして常連さんとかの写真もほとんど撮り終わって、 〈矢車家〉に私と重さんが泊まるのは今夜で終わり。 いくら何でも写真を撮るためだけに三日も連続で泊まるのは厚かましいし、何…
コンテンツ事業部の佐野です。森さんからお声がけいただいた時には、「ああ、ついに」と思いました。そして、まずは本棚の整理から始めようとしました。というのも、昨年の3月に子どもが生まれて、絵本が増えたり、育休中、娯楽のための…
企画編集部の櫻岡です。 先週ポプラ社に入社した新参者でございます。 入社にあたりまして会社情報は結構見ていたつもりでしたが、恥ずかしながら本企画のことを知らずにおりました……。 これまでの皆さまの…
みなさま、おつかれさまです。児童書促進部、田中僚子です。 広島で書店営業やっております。 一般書編集部・森さんからの『本棚の2列目』のタイトルのメールを見た瞬間、頭を抱えて腹の底から「うぉああああ来たかあぁあ」と呻き悶絶…
一般書営業部の宇田川です。 一般書(児童書以外すべての本)営業部の皆様の業務を、円滑に進められるようにサポートのお仕事をさせていただいています。 普段からこの連載を楽しみにしており、事あるごとに担当森さんへ「いやーほんと…
ああ、はずかしい。 はずかしいったらない。 だれですか。こんなはずかしい企画を思いついた人は。 これまでに引き受けてしまった奇特な方たちも、本棚の紹介の前に長々と言い訳を書いていますね。そりゃそうなりますね。あなたの本棚…
こんにちは。一般書編集部の森です。 この「本棚の二列目」を始めてしまった人です。 社内の人と顔を合わせては「本棚を見せませんか」と言いまくっていたのですが、だんだん協力してくれる人も減り、しまいには「森さんは公開しないん…
こんにちは。一般書営業部の畦地です。 先日、社内のメンバーとご飯を食べていたら文芸編集部の森さんがぽつり。「本棚の二列目、次の人がなかなか決まらないんですよね」たしかに、他人の本棚を見てみたいと思う人は多いかもしれません…
こんにちは。主に学校・公共図書館向けの営業を担当している、川島と申します。新卒から入社してもう7年目。世間では中堅に差し掛かる年頃のはずですが、社内ではギリ若手として、先輩方に甘えながら(ときには生意気に)仕事をしており…
こんにちは。大人向けの本の編集部におります近藤と申します。ポプラ社は、かれこれ15年近くになります。その間、海外事業部(ポプラ社の本を海外の版元に売り込む部署)にいたこともありますが、だいたい編集部にいます。 さて、この…
こんにちは、企画編集部の木村です。ふだんは新書、エッセイ、ノンフィクションなどなど、小説以外のジャンルの本をつくっています。「本棚の二列目」ということで、普段の仕事とはまったく関係ない本をご紹介しようと思います。しがない…
ポプラ社の田中と申します。 現在単身赴任中で徒歩通勤なので、通勤電車の中で本を読む機会がなくなった結果、読書量が圧倒的に減っており危機感を持っています。子どもの頃から本は大好きで、外で友達と遊ぶより家の中で一人本を読むこ…
ポプラ社の経理部で働いている藍澤と申します。50歳・既婚です。 本連載の担当者・森潤也さんが編集した「活版印刷三日月堂」の舞台のすぐ近くに住んでいます。(「三日月堂」のある場所から徒歩3分でわが家です)そのご縁で、なのか…
北京発上海行き、今現在山東省の山奥を走っている中国高速鉄道の車内から、おはよう、こんにちは、こんばんわ、はじめまして。北京蒲蒲兰文化发展有限公司(以下、蒲蒲兰)の江崎です。コーナー四回目から本社所属でなくて大変恐縮です。…
こんにちは。ポプラ社の一般(大人)向けの本の編集を担当している村上峻亮です。ポプラ社歴は丸3年。編集歴は15年目。主に男性向けの自己啓発書、実用書などの単行本と新書をつくっています。 さて、さっそくですが、まずはこの写真…
連載第二回、若者の次はいきなり一般書編集部、最年長者の登場です。何なんだ、この人選……。森潤也氏による、新種のいじめ? いやいや、ひがみっぽいのはトシヨリの証拠。かわいい後輩・森くんの「倉澤さんの…
この「本棚の二列目」は、ポプラ社員が自宅本棚を紹介しつつ、本棚の二列目(大好きな本や、前面に置くのがちょっと恥ずかしかったりする本など、色んな本が混在するとこ)まで公開しちゃおうというコーナーです。 出版社の社員が普段ど…