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直木賞作家・大島真寿美の傑作小説『ピエタ』、舞台化決定!
2011年の本屋大賞第3位に選ばれた大島真寿美さんの『ピエタ』。 18世紀のヴェネツィアを舞台に、作曲家・ヴィヴァルディの残した楽譜の謎を巡り、 彼に関わりのあった女性たちの人生が交錯していく傑作長編です。 今なお感動の…
2011年の本屋大賞第3位に選ばれた大島真寿美さんの『ピエタ』。 18世紀のヴェネツィアを舞台に、作曲家・ヴィヴァルディの残した楽譜の謎を巡り、 彼に関わりのあった女性たちの人生が交錯していく傑作長編です。 今なお感動の…
シェフィールドは坂の多い街だ。丘が七つもあるらしい。どことどこが何という丘なのか、わたしにはさっぱりわからないけれど、とにかく寮と学校との間を上がったり下がったり、毎日通っている。なんだかわたしの人生みたいだなと思いな…
窓から入ってくる陽の光がオレンジ色に変わりはじめると、あいつの気配を隣に感じる。 いったんそうなるともうだめだった。やりかけのレポートも読みかけの本も、なんにも手につかなくなる。 ベッドに寝転がってぼんやり天井を見…
じつは、うちの息子が中学の最高学年(わたしが暮らしている英国ではセカンダリー・スクールは11歳から16歳まで5年間通います)で卒業間際であり、いまプロムの話でもちきりなので、おお、なんというタイミング! と思いながら読…
おもしろかったので、それだけを言って、あとは読んでね、と託したい。だって本当は、私なんかが言葉を連ねてほじくるのは、すごく野暮だと思うから。でも、ほじくらないでちょうだい、というタイプの人は、はじめからこんなもの読まな…
ポプラ文庫ピュアフル5月刊『僕は、さよならの先で君を待つ』のあとがきをWEB限定で公開中です! あとがき 「僕はさよならの先で君を待つ」を読んでいただいた皆様、どうもこんにちは。久し振り。初めましてかもしれない。優衣羽で…
巻頭に、作中人物の「私」が記した「序」がある。最初の一行は、〈これは物語という病に憑かれた人間たちの物語である〉。倉数茂『名もなき王国』は、読み進めるうちに、作中人物だけでなく読者もが物語という病に憑かれてしまう、不思…
《これは物語という病に憑かれた人間たちの物語である》という一文で幕を開け、《語りはつねに騙り、、であ》ると物語の虚構性にピンを刺す。そうして語りはじめられ、1人の男が静かに《瞼を閉じ》るまでの502ページ。主な登場人物は…
学校で〈希望〉という字を習った。〈キ〉と〈ボウ〉だ。〈ボウ〉のほうの字は〈のぞみ〉とも読みますと泉いずみ先生は言った。そのときは〈み〉をつけて〈望み〉と書く。では、ノートに五回ずつ書いてみましょう。 「先生!」 「はい…
目覚まし時計が鳴っている。 真夏のアブラゼミみたいなとんでもない音だ。 手を伸ばしても届かない窓辺に置いてあるので、一分ほど無視したあと、こらえきれずわたしは身体を起こすことになる。できるなら朝は夏の軽井沢かるいざわを…
卯月~花の名前 トキヲがいきなりおかしなことを言ったように聞こえたものだから、ハナはびっくりして、彼の背中を揉もむ手を止めた。「今、なんて?」 腰のあたりに馬乗りになったまま、顔を覗のぞき込む。トキヲは、組んだ両手の甲…
よこ-がお 【横顔】 〘名〙 ① 横から見た顔。横向きの顔。 ② (━する)意識的に、横に顔をそむけること。また、その顔。 ③ ある人物の日常的な、あるいは、あまり人に知られていないような一面。〔新語新知識(1934)〕…
四月二十日。東京都新宿区。 朝方の外歩きにも、長袖の服はいらなくなってきた季節。 二藤(にふじ)勝(まさる)はサングラスをかけ、帽子を目深にかぶり、雑踏の中を歩いていた。 新宿はきらびやかな街である。会社員や学生…
一九七六年、昭和五十一年の、私が生まれるずっと前の〈花咲小路商店街〉。こうやって歩いてみると、私がいる現代の雰囲気とそんなにも違いはないって思う。あくまでも雰囲気は、だけど。 もちろんお店の様子は全然違うんだけど、それ…
いつも『余命一年と宣告された僕が、余命半年の君と出会った話(以下よめぼく)』を応援していただき、ありがとうございます!!読者の皆様のおかげで、なんと10万部を突破いたしました。 そこで、読者の皆様へのお礼もかねて、皆様に…
ちゅんちゅん、って。 スズメの鳴き声。 まるでマンガやドラマみたいなベタなシチュエーションみたいだけど、本当にスズメの鳴き声で目が覚めた。すごくたくさんのスズメたちが庭に来ているんじゃないだろうか。いつもこうなんだろ…
大人気の絵本作家・ヨシタケシンスケさんの最新刊が好評発売中! ということで、全3回にわたり、ロングインタビューをお届けいたします! 創作秘話から、海外版製作についてまで、お話をたくさん伺いました。 (ライティング:松井ゆ…
大人気の絵本作家・ヨシタケシンスケさんの最新刊が好評発売中! ということで、全3回にわたり、ロングインタビューをお届けいたします! 創作秘話から、海外版製作についてまで、お話をたくさん伺いました。 (ライティング:松井ゆ…
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人気急上昇中!!『余命一年と宣告された僕が、余命半年の君と出会った話』の続々重版を記念して、「図書カード」と「直筆サイン本」のセットが当たるフォロー&リツイートキャンペーンを開催いたします! ※ twitterでフォロー…
志津さんの腹違いの姉妹? それはつまり。 「志津さんのお父様、セイさんの義理のお父様になられた方が、奥様以外の女性と浮気して作った子供ってことですか?」 ひょっとしたら人生で初めてこんな人前では言い難い言葉を喋ったか…
『火を点けて燃やしてやる』 アパートの一室にいたその女性が、重さんのお祖父様、一成さんに向かってそう言っていた。 それを、重さんのお父様、今はまだ中学生の成重さんが聞いていた。 「それは」 重さんが躊躇いながら訊い…
<久坂寫眞館>で働く樹里と、店主の重。 ひょんなことから過去の花咲小路商店街にタイムスリップした二人(とセイさん)は、セイさんの自宅に忍び込むことにするのだが―― ※※※ 午前十時。 〈花咲小路商店街〉の四丁目にある〈…